組織に一体感が生まれた忘れられない経験

私の管理職経験(日本生命~グループ会社)は入社6年目の主任登用から約35年です。多くの方に支えていただいたことを、心から感謝しています。その支えがあって、組織の関係性がとても強化されたと感じたことが少なくありません。
今回は、組織に一体感が生まれた忘れられないS支社での経験を紹介します。

60名強のリーダーと関係を深めた要因

日本生命の支社は複数の営業部からなり、営業部は営業部長、リーダー(中核職員)、営業職員(以降、職員さんと呼ぶ)で構成されています。

S支社は14の営業部で構成されていました。本部の指示で、営業部ごとに入社後一定期間内の職員さん対象に活動状況確認の会議を行っていました。

会議の参加者は支社長の私と支社幹部、営業部長、リーダー。その内容は、職員さんの成果確認よりも、仕事を続けるために必要な活動環境の整備・充実でした。

私からリーダーへの期待は高く、独自に管内地図を作成して内容を確認するなど、私の本気度が伝わっていたと思います。必ずフィードバックを行い、評価を忘れず、励ますことに努めていました。

リーダーとの関係性が強化された要因の一つがこの会議だったと思います。担当2年目には、支社全体60名強の「すべてのリーダーと親しくなった」という自覚がありました。(私からの一方通行だったかもしれませんが…。)

イベントをきっかけに一つになった!

着任1年目のS支社の営業成績は全国順位の下位グループでした。2年目に少しずつポジションを変えて、リーダーたちも業績の明るさを感じ始めていたようです。

年度末まで半年を残す頃、あるリーダーから「土曜日に全リーダーが自主勉強会という名目で集まるので、支社幹部と営業部長の参加と、資金提供をして欲しい」という提案がありました。

そのイベントは、参加者の懇親と、年度末への決起を誓うものでした。

服装に指定があり、男性はワイシャツに蝶ネクタイで参加。二人羽織りなどのゲームもあり、職場では見られない笑顔があふれました。

イベント終盤、14の各営業部が年度末へ向けて決意を発表しました。

事業年度がスタートして半年たっており、営業部ごとの成績には格差も出ていましたが、残り半年もあるというタイミングは、全員が前向きになれるものでした。心配するような暗い雰囲気になることはなく、すばらしい決意発表ばかりでした。

このイベントを機に、営業部長・営業部のリーダーに一体感が生まれ、その後のさまざまな困難な状況に立ち向かう勇気や心構えにつながったことは間違いありません。

そしてその結果、2年目の年度末は、S支社の全国順位は上位になり、本部表彰の「招待」という最高のかたちで年度を締めくくることができたのです。

今こそ、心を通わせる集いを!

イベントを通して、どんな変化が生まれたのかを考えてみました。

〇全営業部長と全リーダーの間の距離が近づいた

〇メンバーは互いに支え合う関係であることを認識した

〇メンバーは目標に向かう共同体という気持ちをもった

〇メンバーは互いに気遣い、思いやりをもっていると認識した

〇メンバーがあらためて目標達成の価値観を共有した   など

組織目標までの道のりは一人ひとりのメンバーにとって平坦ではありません。メンバーを励まし、勇気づける必要があります。

このイベントで参加者同士が心を通わせ、互いにベストを期待し、互いに励ましあい、目標に向かう、ある種「運命共同体」のような気持ちをもつ場になったと思います。

コロナ禍で企業活動には制約が多く、できることはまだまだ少ない状況です。このようなときこそ、上司のみなさん、組織で「心を通わせる集い」を企画してみませんか?

若い世代の方も大切な集いと受け止めてくれると思うのは、私だけでしょうか?