上司のみなさん、リーダーシップを意識いていますか？～その２～
前回ブログの続編です。
https://keichou-k.com/2021/05/30/leadership-2/
ひとつ前のブログで「もし営業部長だった私がリーダーシップを意識していたら、一人ひとりの職員さん（セールスレディ）とのコミュニケーションを大事にして、一人ひとりの価値観にもっと向き合います」と述べています。
「価値観」はリーダーシップにとって、とても重要なことです。そこで今回は、リーダーシップの観点から「価値観」について考えてみました。
自分の価値観を理解していますか？
私がリーダーシップに関するセミナー・研修などで、最初にお伝えし、考えていただいくことが「価値観」のことです。
「価値観」は、広辞苑では「何に価値を認めるのかという考え方。善悪・好悪などの価値を判断するとき、その根幹をなすものごとの見方」と解説されています。
私は次のように伝えています。
「価値観とは、その人が大事にしている考え方、見方のこと」
具体的なイメージは「人生で大事にしていること」や「働くときに大事にしていること」など、さまざまな場面で「大事にしていること」と説明しています。
ところでみなさんは「大事にしていることは何ですか？」と聞かれてすぐに答えられますか。結構難しいですね。このように、人は自分の価値観をすぐに答えられるほど、理解していないと言われています。
だから、就職・転職活動の支援を受けるときに、「自分の価値観を理解することが大切です」と言われたりするのですね。
共通の価値観とは
価値観は一人ひとり違い、人生のという時間の中で大事にすることは変化します。
私がキャリアコンサルティングで使用する「ジョブ・カード」（厚生労働省推奨）の活用支援ツールの一つに「価値観診断」がありますが、その中で「仕事を選ぶ上で大事にしたいこと」として挙げている価値観だけでも25項目もあります。
【ジョブカード制度総合サイト 価値観診断】
https://jobcard.mhlw.go.jp/selfanalysys/values_diagnosis.php
個別に異なる価値観、時代とともに変化する価値観の中で、「共通の価値観」というものがあります。
「共通の価値観」とは多くの人が「大事にすること・大事に守ること」で、「道徳や倫理」がこれに該当します。社会道徳や交通道徳、企業倫理や職業倫理などといわれるものです。最近では「ジェンダー平等」という新しい価値観も生まれています。
「挨拶は大事」が理解されても、実践されないとき
共通の価値観である「道徳や倫理」はリーダーシップの観点からも重要です。リーダーが重要性を認識して、率先垂範すべきことは説明するまでもありません。しかし現実には、これらのことが組織の共通の価値観として実践されていないこともあります。
例えば、「挨拶は大事」ということは誰もが持つ価値観ですが、みんなが実践しているかといえば、残念な状況も少なくありません。
共通の価値観は理解されるだけではなく、行動が伴い実践されることが重要です。
そこで、リーダーには、メンバーが共通の価値観を行動や姿勢で示せるようにすること、すなわち「価値観を共有する」ようにリーダーシップを発揮することが求められているのです。
「今、共有すべき価値観は何か？」という視点を忘れずに
組織にとって共有すべき価値観は、「道徳や倫理」のほかに、「企業理念」のように企業が大事にしている「価値観」もあります。リーダーは、これらの価値観をメンバーが共有するように心がけなければなりません。
しかし、日々の組織運営においては、さらに「今、共有すべき価値観は何か？」という視点をもってほしいと思います。
例えば、次のようなときです
●多くのメンバーが公平に扱ってほしいと考えている中で、一部の発信力のある人のルールを軽視した行動の問題対処にあたるとき。
●高い生産性が求められる中、成果の質が低下するような課題に、全員一丸となって改善に取り組むとき。
このようなときは、「メンバー個々の価値観」と「組織で共有すべき価値観」そして「リーダー自身の価値観」にしっかり向き合うことが重要です。そのうえで、問題の解決・改善あるいは組織の成長に向けて、「今、組織で共有すべき価値観は何か？」を把握し、メンバーに理解させ、姿勢や行動につながるように意識を高めていくことがリーダーシップの重要な役割なのです。
上司に求められるリーダーシップとして、「今、共有すべき価値観は何か」という視点をぜひ大切にしてほしいと思います。
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