SDGsウチでもやってるよ!と言える中小企業の従業員はどんな思い?

SDGs(エスディージーズ)という言葉をよく耳にするようになりました。
SDGsに取り組む企業も増えており、「詳しく分からないけど気になっている」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中小企業がSDGsに取り組むと、従業員の気持ちにどんな変化があるのか考えてみたいと思います。

SDGsを簡単に言うと

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
簡単にひとつの文章にまとめると次のようになります。

2015年9月に国連加盟国(193カ国)の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。
先進国・発展途上国すべての国を対象にした、経済・社会・環境の3つの側面のバランスのとれた社会を目指す世界共通の17個の目標です。

17個の目標は相互に関連しており、例えば、世界の自動車業界が取り組んでいる「ガソリン車から電気自動車への動き」では、「目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「目標13:気候変動に具体的な対策を」など、複数の目標が関係しています。

SDGsについて詳しく知りたい方は下記のサイトをご覧ください。
SDGsの解説:外務省「ジャパンSDGsアクション・プラットフォーム」
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html

SDGsで従業員のやる気・モチベーションは上がる?

中小企業がSDGsに取り組むことで、従業員のやる気やモチベーションを高める効果があると言われ、これには「動機づけ」が影響しています。

動機づけは、従業員のやる気やモチベーションを高める方法として注目されています。

「給料が高い」ことは大切な動機づけの要因ですが、「給料を増やしても、あまりやる気につながらない」という考え方もあります。
給料が不十分だと不満につながります。しかし、昇給しても満足感につながるわけではない。単に不満足を予防する意味しかないという考え方です。(外発的動機づけ)

一方、仕事を通して「達成感を味わう」「承認される」などは、仕事に満足感を覚えて、やる気やモチベーションを高めることにつながるという考え方があります。(内発的動機づけ)

この内発的動機づけが、SDGsの取り組みで従業員のやる気・モチベーションが上がることに関係があるのです。

SDGsウチでもやってるよ!と言える誇らしさ

SDGsに取り組む中小企業の多くは、最初にみんなでSDGsを勉強し、社会的な意義を理解します。そのうえで、自社の企業活動の棚卸し、SDGsとの紐づけ、企業理念の再確認など、ステップを踏んで、自分達が取り組みやすいところから始めます。

「我が社でできることはないか?」という考えから始まるのがSDGsの取り組みです。取り組む過程で、従業員は「会社は社会貢献している」という思いを抱きます。

この「社会貢献している」という思いで「ウチもSDGsをやってるよ」と発信できることが、「達成感」「承認される」であり、やる気やモチベーションを高めることにつながるのでしょう。

事業として取り組む内容でなくても、「環境に配慮する」「働き方を見つめ直す」などの取り組みで、自社への誇りや仕事に対する想いが変わり、「やる気やモチベーションを高めること」になるのです。

取り組み自体の意義もありますが、「SDGsウチでもやってるよ」と語ることがモチベーションアップになります。

SDGs取組事例「社内で化学反応が起こっている」

第2回ジャパンSDGsアワード(2018/12)で 「パートナーシップ賞」を受賞された株式会社大川印刷の大川社長がWEBセミナーの中で、自社の取り組みを紹介されていました。
とても印象的な言葉が「社内で化学反応が起こっている」でした。

パートスタッフを含めた従業員がさまざまなテーマを検討。SDGs計画を作り、取り組むべきSDGsについて話し合い、プロジェクトを立案しているそうです。
大川印刷でのSDGsの取り組みの推進力は、社内で起きている化学反応の結果生まれている従業員のエネルギーなのだと思います。

経営環境が厳しい中、日々の業務で手一杯、SDGsの取り組みまで余裕がないという企業も少なくないかもしれません。
しかし、そんなときだからこそ、従業員のやる気・モチベーションを高める取り組みとしてSDGsを検討してみませんか?
私は、勉強会からでも始めていただけたらと思っています。

「SDGs」というテーマは、企業の立場、個人の立場、それぞれで自分ごととして捉え、取り組むべき目標と認識され始めています。

ミレニアル世代・Z世代で意識が高いと言われていますが、私たち世代も「やってるよ!」と言えるように行動したいですね。