あなたの想像力、大丈夫ですか?~『その言い方は「失礼」です!』を読んで

タイトル『その言い方は「失礼」です!』にひかれて一冊の本を手に取りました。著者はイメージコンサルタント 吉原珠央さんです。
マナー研修で受講者に伝えていることを思い出し、「あるある!」とうなずきながら読みました。この本を参考に、マナーで大切なことをお伝えしたいと思います。

「失礼」の正体は?

吉原さんは「かすかな違和感こそが失礼の正体」として身近な例を挙げています。

ファミレスで注文するときに、「和風ハンバーグ」とだけ言う人。
なぜ「お願いします」と一言付け加えないのだろう。

歩道に広がってゆっくり歩いているため、道が塞がっているのに、誰も後ろに人がいることに気がつかない。横を向いて話している人の視界には、後ろを歩く人が入っているはずなのに、なぜ「あっ、ごめんなさい」と言って道を空けないのだろう。

私は、「あるある」と納得しましたが、みなさんはいかがですか?

気が利く人と利かない人の差

吉原さんは、「言葉のやりとりは、互いの気遣いの連続で成り立っている」。
気が利く人と気が利かない人の差について、「相手のことを想像して的確に動けるか」さらに「自分が相手の立場だったら、どう思うか?という自問自答が出来ればよい」という表現をされています。

今、SNSでの心ない投稿問題について、警鐘が鳴らされていますが同じ視点ですね。
あらためて、想像することの大切さを認識させられました。

菅田将暉さんのセリフを大事な心構えの一つに

気が利かない人は、想像する力がないのでなく、想像する機会を失っているように思うのです。(これを想像力がないというのかもしれませんが…)。

私は、自分を戒める意味を込めて、「グッ、クルッ、パッ!」を大事な心構えの一つにしています。

「グッ、クルッ、パッ!」とは、人気TVドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(2019年1~3月放映)で教師役の菅田将暉さんが、高校生の言動を注意するシーンで言ったセリフです。

その意味は、「大事な決断をする時は、グッと踏み留まって、クルッと頭を一周させれば、パッと正しい答えが浮かぶ」

気遣いは、大事な決断とは少し違いますが、日常で「少し留まって、一呼吸置く」ことで、周りを思いやる気持ちに気づくことができるように思います。

相手の失礼は自分を磨くヒントに

吉原さんは、あとがきに「もう一つ大切なこと」として「他人に求めないということ」と書かれています。

あくまで自分の尺度を尊重し、「失礼な言動と人生」についての考えをシンプルに研ぎ澄ませてみてくださいと。そして、自分の中で「気づけてよかった」と納得することに意味があると。

4月は、多くの企業で新入社員を対象にマナー研修が行われていますが、新社会人だけでなく、私たちも含めてみんなで、想像力を大事に、気遣いを心掛けたいものですね。

参考書籍:『その言い方は「失礼」です!』(吉原珠央/著)
https://www.gentosha.co.jp/book/b13301.html