雑談力で人生100年時代を乗り切ろう!

私は仕事柄、初対面の人と話すことが多く、人見知りではありません。しかし、雑談が得意な人間でもありません。
そんな私が五百田達成(いおた たつなり)氏の『超雑談力』を読んで、少し勇気をもらって、雑談に前向きになりました。人生100年時代を雑談力で乗り切りたいと思います。

雑談から始まる付き合いに期待!

『超雑談力』の最後、「おわりに」に書かれていたことが、私の気持ちを前向きに変えてくれました。

読み進めるうちに、雑談に対するハードルが下がったこともありますが、なにより良かったことは「人づきあいの始まりが雑談で、これからも雑談をキッカケに人生の友と言える人との出会いがあるかもしれない」と期待を持てたことです。

「人生100年時代」の過ごし方として、雑談によりネットワークが広がり、新しい経験に対して開かれた姿勢を持てるチャンスにつながるように思えます。

自分から話しかけるという高いハードルは残っていますが、何かのはずみで話が始まったときには、「雑談力」を活かして、新たな友人との出会いを楽しみたいと思っています。

私が前向きになった「雑談力」とは?

雑談というと、初対面の人や近所の人とのとりとめない会話をイメージしますが、五百田氏によれば「微妙な関係の人と、なんとなく話さなくちゃいけない状況」は、普通の会話と違って難しいそうです。

私も今までは、話すと気を使うし、その場限りの関係のことも少なくないし、できれば避けたいと思っていました。しかし、この本に出合って苦手意識が減りました。五百田氏は「雑談に適した話し方、すなわち『雑談力』を身につければうまく話せるようになる」と書いています。

雑談力について詳しくは、ぜひ著書『超雑談力』を手に取ってご一読ください。私からは、ちょっと勇気をもらって前向きになった理由をお伝えします。

それは、私が仕事柄大切にしている「傾聴の姿勢」が、雑談力だと気づいたからです。このことで雑談へのハードルが下がりました。

例えば、雑談力の基本ルールとして紹介されている「気持ちをやりとりする」。基本ルールでは、「気持ちをやりとりすると、いい関係ができやすい」とあります。

これは、私が大切にしている傾聴の技法の一つ「感情への応答(気持ちを伝え返す)」と同じです。対話では、「事柄」よりも「気持ち・感情」を聴く姿勢の方が、話し手が自分を分かってくれているという信頼感につながり、心を開いてくれると言われています。

もう一つは「肯定して共感する」。雑談力の基本ルールでは「肯定されると、人は気持ちを打ち明ける」そして「こころを開いて雑談を始めてくれる」とあります。

これは、傾聴の姿勢として大切にする「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」と同じです。相手が話すことに対して、すぐに「よい、悪い」などの評価をせず、あるがままのかたちで聴くように努めます。

前述の「気持ちのやり取り」に近いのですが、できるだけ相手が言おうとすることの意味を聴き、気持ちに応えようとする姿勢を大切にします。

みなさんは「それ、違ってない?」などと自分の評価を言ってしまい、話の腰を折って気まずい雰囲気になった苦い経験はありませんか?

雑談が「微妙な関係の人と、なんとなく話さなくちゃいけない状況」であれば、気持ちをやりとりしていい関係を築いて、肯定して共感しながら、気楽に話が続けられるといいですね。

背中を押してくれる2つの雑談力向上テクニック

私の背中を押した「雑談力向上テクニック」もご紹介します。それは、「“こんにちは”で話し始める」「“オチはないけど”と最初に言ってしまう」です。

『超雑談力』では、初対面でも「はじめまして」と話し始めるのは堅苦しいので、「こんにちは」で始めるほうがよいとあります。「こんにちは」であいさつすると、その場の空気がさっと明るくなるそうです。確かに気持ちも前向きになって、気分がいいですね。

最近の新聞記事に「牛丼チェーンの吉野家がお客さまを迎えるあいさつを“いらっしゃいませ”から“こんにちは”に切り替えた」とありましたが、なるほどと納得です。

「“オチはないけど”と最初に言ってしまう」については、私の周りには関西の方が多いのですが、「それでオチは?」と冷やかされることがあります。普通の話をしているつもりなので少し戸惑います。

『超雑談力』では、最初に「オチはないけど」と言ってしまう方がいいとありました。私もこれからは勇気をもって…!?

参考:『超雑談力』(五百田達成 著)
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2578-0