人生100年時代、私が強化したいこと

「人生100年時代」という言葉をよく目にします。この言葉はベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』がきっかけで広まったそうです。
この本を参考に、人生100年時代をより良く生きるためにどうすればいいのか、自分事として考えてみました。

「長生きリスク」と「人生100年時代」の違い

私は日本生命時代、「長生きリスク」という言葉を営業場面でよく使っていました。長寿化がもたらす将来の経済的不安を表す言葉として「負のイメージ」が強かったと思います。

しかし、「人生100年時代」のイメージは違います。「長くより良い人生を生きる」という前向きな側面が含まれていると感じます。

『ライフ・シフト』の中では「長寿という贈り物」という表現で「健康な期間が延びる」という予測を紹介しています。単に長く生きるだけでなく、健康的に長生きする時間を「より良い人生を生きるための期間」として前向きに捉えているのです。

人生100年時代に向けて社会が動き出している

2021年4月、改正高齢者雇用安定法が施行され、「70歳までの就業機会の確保(努力義務)」が企業に求められました。

人生100年時代に向けて、このような経済的不安解消の取り組みだけでなく、「産学連携によるリカレント教育の推進」「人生100年時代の社会人基礎力」などさまざまな提言がなされています。

これまで以上に長くなる企業・組織・社会との関わりの中で、活躍し続けようとする個人の努力の後押し、働く環境の改善、評価制度の見直しなど、企業の取り組みに関する提言です。

私たち一人ひとりが「人生100年時代 より良い人生を生きる」という前向きな意識をもてるように社会全体が動き出しているといえるでしょう。

ますます重要になる3つの無形資産

『ライフ・シフト』では、お金などの「有形の資産」の他に、「無形の資産」の形成が重要だと言っています。

無形資産には3つの要素があります。
 1.生産性資産(仕事で所得を増やすのに役立つスキルや知識)
 2.活力資産(健康、友人関係、パートナー・家族との良好な関係)
 3.変身資産(人生の途中の変化と新しいステージへの移行を成功させる意思と能力)

「変身資産」は少しわかりづらいのですが、次の3つのことです。
①「自分についてよく知っていること」
長くなる人生では、今まで以上に多くの変化に直面する。そこで、自分らしさを保ちながら、変化に対応するためには、そもそも自分を知っていること、または知る努力を続けることが必要である。
②「多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること」
昔からのネットワークは自分のことをよく知っていて、変身を助けるのではなく、妨げる可能性が高い。変身するためには今までとは違う多様なネットワークがある方が良い。
③「新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていること」
実際に変身する時に、そもそも、過去にないことを受けいれる姿勢や新しいことを実験する姿勢をもっていなければならない。新しい経験に開かれた姿勢が必要である。

「生産性資産」と「活力資産」は多くの人が重要と考え、努力を続けてきたことだと思います。「変身資産」はどうでしょう。「大切なことだとは知っているが、今そこまで考えなくても…」このような認識の方も少なくないのでは?

中高年のキャリア研修と「変身資産の形成」の関係

100年時代に向けて多くの企業が継続雇用制度を導入するなど、従業員の高年齢化が進んでいます。

中高年従業員の「再活性化」」「戦力化」は、より一層重要な取り組み課題となっており、キャリア開発、キャリア形成などの企業研修が盛んに行われています。

実は、キャリア研修では「個人のキャリアの棚卸し(自分についてよく知る)」や「環境に適応する力」、「変化を受け入れる力」など、「変身資産の形成」と同じようなことを求めています。

「人生100年時代」という枕詞が無くても、年齢を重ねていく個人にとって「変化すること」「新しいことを受け入れること」はとても大切で、なかなか難しいこと。だから、さまざま形で伝え続けられているのだと、今さらながら悟った気分になります。

「変身資産」を自分事として考えてみると

私自身を振り返ると、研修などで「変化の大切さ」を伝えているわりには、自分の中で変えたくないことは「自分の生き方だから」と言い訳しているようです。変える必要性を考えること自体に向き合っていないというか……。

このブログで発信したからには自分事として捉え、「変わった方がいいかな?」「新しいことを受け入れる?」と自らに問いかけ、その都度きちんと考えることを実践しようと思います。

変身資産の3つのこと「自分についてよく知っていること」「多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること」「新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていること」について、みなさんも意識して行動を変えてみませんか?

参考書籍
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』
(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット 著)https://str.toyokeizai.net/books/9784492533871/